個人的に、これは知っておいて損じゃない話だと思っています。
※この記事では、USB-Cケーブルを接続するだけで画面出力のできる、「DP Altモード」について取り上げています。
PixelのUSB-C端子は画面出力に対応していない
ここ最近日本市場でもかなり存在感の出てきたGoogle Pixel。USB-C端子があるので、
「USB-Cから画面出力しよう」
と、思ったことがある人も少なくないと思います。
しかし、残念なことに、Pixelについては充電端子からの画面出力ができないようになっています。USB-C端子からの画面出力に対応していないのです。
実際、手元のPixel 7 ProでUSB-C端子から画面出力を試そうとしても、出力されませんでした。
技術仕様を確認してみる
「え、ほんとに?口から出まかせじゃないの?」と思われる方もいらっしゃると思いますので、ここで公式の技術仕様ページを確認...
Pixel 7 Proの技術仕様ページ - Google Storeより |
確かに、「ボタンとポート」の部分で「USB Type-C 3.2 Gen 2」と記載があります...。
USBの規格に詳しい方であれば、「これなら画面出力の要件を満たしているじゃないか」と、思われる方もいらっしゃるかもしれません。
ですが、ここで注意したいのは、USB-C端子(USB 3.1以降)は必ずしも画面出力に対応しているとは限らないという点。Pixelの場合は、「画面出力に対応してないUSB-C端子を搭載した」端末に分類されるわけです。
USBの規格とDP Altモードの存在
「それじゃあ、USBの何が画面出力を可能にしているのさ?」という話になってきます。結論、USB-C端子で画面出力を可能にしているのは、DP Altモードという規格の存在です。
DisplayPort Alternateモードについての説明 - オウルテックのサイトより |
DP Altモード(正式名称ではDisplayPort Alternateモードと書きます)は、USB-C端子を通じて映像出力を得るために作られた規格のこと。詳細はここでは省略させていただきますが、USBの規格の中に映像出力をするための規格がある、といった感じの認識でOKです。
そしてこの「DP Altモード」は、USB-C端子(正確にはUSB 3.x対応のUSB-C端子)を搭載する場合に必ず求められる要件にはなっていないのです。
そうした際にどういったことが起こるのかというと、画面出力のできるUSB-C端子と、画面出力のできないUSB-C端子が混在することになります。すると、「PixelにはUSB-C端子があって、画面出力もできるUSB 3.2 Gen 2の規格だ!」と思ってしまう人も出てくる...というわけです。
USB-C端子からのあ画面出力にはご用心
ちなみにですが、この「USB-C端子から画面出力できない」問題は、Pixelだけに限った話ではありません。各種Android端末やノートパソコンを使っていて、「USB-C端子から画面出力出来たらいいな」と本気で思っている方は、一度所有している製品の仕様書をよく確認するか、インターネットなどで動作報告があるか確認するとよいでしょう。画面出力するつもりで買ったケーブル等が無駄にならずに済みます。
まとめ : 現状では、PixelはDP Altモードに対応していない
とりあえず、2023年6月現在では、PixelにDP Altモードに対応したUSB-C端子は存在しない、ということを肝に銘じておきましょう。もしかすると、今後登場する端末でDP Altモードに対応した端末が出るかもしれませんが...現状ではどうすることもできません。どうしても大画面に映したいという場合は、無線経由でミラーリングをすべし。
・参考サイト
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